テレビやパソコン、スマートフォン。いま、日常生活に浸透している製品には、Nittoのフィルムが使われています。
液晶ディスプレイを鮮明に映し出す偏光板。タッチパネルに欠かせない透明導電性フィルム。
こうしたフィルムの一枚一枚には、世界トップレベルの技術がつまっています。
偏光板の歴史は古く、1938年ポラロイド社のE.H.ランドらによって発明され、当時は列車や船の窓のブラインド、偏光サングラスに防眩用の基材として使用されていました。
Nittoにおける偏光板の歴史が始まったのは、1975年。
「偏光板に糊を塗って欲しい」とお客様より依頼を受けたのがきっかけでした。それから2年後の1977年には、自社製偏光板が完成。糊を塗るだけではなく、自社で偏光板を開発しようという気運が高まった必然の結果でした。
その約10年後の1989年には「位相差板」を開発。この製品は、液晶のねじれによる干渉縞が出て、液晶画面に黄色や青色が付いてしまうという欠点を解消したのです。これによって、Nittoは単なる「偏光板メーカー」から「光学フィルムメーカー」へ進化しました。
1996年には、液晶業界の急速な需要増に応じるべく、圧倒的な生産能力を持つ尾道事業所を設立。立ち上げ時の困難を乗り越え、現在では世界で最大級の生産量を誇る事業所として成長しています。
Nittoの進化は続きます。
1997年には、偏光板に吸収されるはずの光を再利用し、正面だけでなく、斜め方向から見たときの明るさも向上させる「輝度向上フィルム」が完成。
この瞬間「光学フィルムメーカー」から、明るくする、視野角を広げるなど様々な機能を持ったフィルムを提供する「ハイブリッドフィルムメーカー」へと、さらなる進化を遂げたのです。
より薄くフレキシブルなディスプレイが求められる昨今、偏光板の薄型化は大きな課題でした。これに対しNittoは、2012年に、全く新しい、革新的な超薄型偏光板の開発に成功しました。従来の工程や材料を見直し、標準的な偏光板と比較して厚みを80%、反りの原因となる収縮も約60%低減することができました。
急速に需要が伸びているスマホやタブレット端末に欠かせないタッチパネルも、従来のガラスタイプから“薄く・軽く・割れない”フィルムタイプへのシフトが進んでおり、Nittoの透明導電性フィルム「エレクリスタ」が数多く採用されています。
私たちは、変化をチャンスと捉え、常にお客様に満足していただけるよう、
100周年を迎えたこれからもチャレンジを続けていきます。