2018年に100周年を迎えるNittoは、100周年以降のNitto-New Centuryにおけるグローバルでのブランド向上を目指して2017年から男子プロテニスシーズンのクライマックスを飾るイベントであるNitto ATP Finalsのタイトルスポンサーとなりました。そこで、Nitto ATP Finalsの開催地であるロンドンで、テニスのラリーを通じて生活のあらゆるシーンで活躍しているNitto製品を紹介していこうというアイディアが生まれました。
コンセプトは、「Behind Smiles.」。私たちNittoの製品・技術は、それらが提供する機能を通じて人々の笑顔を支えているということを伝えたいと考えています。軽快な音楽とウイットに富む市民によるテニスラリーで、ロンドンの街のあらゆるところにNittoマークを溢れさせるユニークな表現にチャレンジしました。
約13,500種類の製品を提供するNitto。それらの中から、どの製品をストーリーに織り込んでいくかというのが最初のハードルで、何度も何度も企画を練り直しました。
Nittoは、普段の生活の中で直接目に触れない製品や技術が多いので、CMでの表現の仕方が難しく、テニスという馴染みやすいスポーツとコラボレーションすることで、いかに見た人の心に残るモノにするか、ということにトライしました。
また、Nittoのことを良く理解してくださっている電通Y&Rの日本スタッフと、Y&Rロンドンチームとの連携によって実現し、イギリスならではの街並み、配役等、様々なバランスに徹底的な配慮してもらいました。
Nitto-New Centuryに向けて、グローバルでブランディングのレベルを引き上げていきたいという思いから、海外スタッフによる海外ロケでの制作を決断。それも、Nitto ATP Finalsの舞台であるロンドンチームによる、ロンドンでの撮影にこだわり、グローバルな空気感を醸成しています。
ビッグベンのシーンは補修工事が始まっており、建物下部をCGで修正するのがひと苦労でした。
タワーブリッジのシーンは良いカットが撮れるまで何度もテムズ川を往復しました。
撮影を行ったのは9月のロンドン。様々なロンドンならではのシーンを盛り込んでいますが、実はこの時期のロンドンはハリケーンの季節とあり、屋外での撮影は難航を極めることが予想されました。
さらに、基本的に秋のロンドンは天気が悪いものです。
そこで屋外のシーンは別撮りで行い、緻密なCG合成をして再現性を高めました。
CG合成のスペシャリストたちを日英間で何度も打ち合わせを行い、細部の細部まで詰めの作業を行ったんです。
そして、今回の出演者の中でも特別目を惹く存在だったのが、出演者中最高齢のパメラおばあちゃんです。彼女は正にブリティッシュセンスの塊で何事も普通に答えてくれません。
初めて会った時に「おいくつですか？」と訪ねたところ、
通訳の20代の女性に「貴方より少し上よ」とお茶目に答えてくれました。
テニスのスイングも、鋭いショットをガンガン繰り出すので演出家が「もう少しおばあちゃんらしくして！」と抑えにまわる程でした。
そして、とてもおしゃれで着ている衣装もほぼ自前のもの。花柄を愛し、ちょっとシニカルで、ラブリーなおばあちゃんでした。
撮影中は皆真剣にモニターに集中です。
現地では指紋コロコロ®が大人気！現地でもNitto製品は人々に「驚きと感動」を与えていました。
日英では映像の制作環境はかなり異なる部分が多くあります。例えばモニターの色温度設定が日英では異なるため、英国の映像を日本にそのまま持ち込むとかなり奇妙な色彩になってしまいます。
今回はそれを前提にして、綿密な色彩設計を行ってもらいました。また、色彩感覚に関しても「ブリティッシュセンス」を重視し、まるで海外映画のようなコントラストの強い映像を目指しました。
また全体にCGの精度を非常に高く設定し、ラケットの網目の一つ一つにも気を配り、合成を行っています。一つ一つを丁寧に精度を上げていったこだわりの作品です。
CG合成用のグリーンの背景塗りも余念なくチェック中。地味ですが一つ一つが大事な作業で気が抜けません。
車のシーンをはじめ様々なシーンがCGで精密に合成されていきます。
