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欧州経済紙掲載記事広告

※2021年11月のドイツ・フランス・イタリアの主要経済紙に掲載された記事を日本語訳したサマリ版を以下に掲載しています。
The best for the best

The best for the best

日常生活の中で目に触れるものではないかもしれませんが、現代の生活に欠かせない製品、例えばあなたが使っているスマートフォンなどには、世界有数の総合素材メーカーである日東電工株(Nitto)の革新的な製品、部品、素材も使われているかもしれない。そんなNittoは、男子プロテニスシーズンのクライマックスを飾る「Nitto ATPファイナルズ」のタイトルパートナーとして、世界の晴れ舞台に立つトッププレーヤーを支援している。素材メーカーがスポーツを支援する背景には何があるのか?

Nittoは、プロ・アマ問わず世界中で使用されているアスレチックテープを製造するリーディング・カンパニーとして、高パフォーマンスが求められるスポーツと、長く結びついてきた。ATPツアーのパートナーシップはNittoにとって自然なことだったと、Nittoの代表取締役社長の髙﨑秀雄氏は語る。「世界のトップ8選手が世界一を争う『Nitto ATPファイナルズ』は、最高の選手たちの中でも、最上位の『最高』選手を決める戦いだ。Nittoは、ハイエンドのお客様のために、最上位の『最高』な技術を開発することに力を注いでいる。トップ選手たちの試合に対する意欲とスキルから、当社は多くのインスピレーションを得ている」

テニスでもビジネスでも、トップを目指すなら、明確な戦略とトップに立つための技術が必要だ。Nittoの技術力は、1世紀以上にわたる絶え間ないイノベーションによって磨かれてきた。近年、Nittoが取り組むのは、グローバルにおける産業エコシステムの中でニッチな市場でトップを狙う「グローバルニッチトップ戦略」だ。

品質と進歩でニッチ分野の市場トップに

髙﨑氏はこの戦略を「ターゲットとする市場セグメントでのリーダーを目指して差別化するためのものだ」と説明する。「変化や成長の可能性があり、当社独自のイノベーションを発揮できる、アクティブな競合他社が少ない分野に焦点を当てている。もちろん、競争はいずれかの段階では避けられないものだが、品質と進歩を求めるハイエンドのビジネスパートナー企業と密接に協力することで、コモディティ化を回避し、市場でのトップの地位を維持することができると考えている」

NittoはATPツアーのオフィシャルアスレチックテープパートナーです。

NittoはATPツアーのオフィシャルアスレチックテープパートナーです。

スマートフォンや有機ELディスプレイ、タッチパネルなどの機能性材料、自動車用の接着剤や電子材料、医薬品、医療用テープ製品など、Nittoはさまざまな分野で技術をリードし、市場での確固たる地位を築いてきた。また、ATPツアーをはじめとする数多くのスポーツ大会では、数多くのアスリートが自身の身体を保護し最高のパフォーマンスを発揮するために、Nittoのテーピング製品を日常的に使っている。

このような実績は、「お客様とのパートナーシップを大切にする」というという、Nittoの根源的なコミットメントに基づいていると高﨑氏は言う。「Nittoの長期的な視点がお客様に評価されているのは、もちろん喜ばしいことだ。お客様からは、当社が相手方のニーズを先取りして素早く対応することに、驚かれることもある。当社はこれこそが、お客様との長期的な信頼関係を築く方法のひとつだと思っている」

新しさを追求する独自ビジネスモデル「三新活動」

顧客や経営陣、従業員との良好な関係をもとに、何世代にもわたって業界の最先端を走り続けることができた企業は多くない。技術や社会が加速的に変化していく中で、Nittoが100年以上も一貫して革新を起こし続けている理由は何か?答えは、常に新しさを追求するNitto独自のビジネスモデル「三新活動」にある。

既存製品の「新」しい用途を開拓して、そこに新たな技術を加える。または、新しい技術を用いて「新」製品を開発したうえでその用途を広げる。こうして「新」しい需要を創出する――。「三新活動」は、50年以上にわたって繰り返されてきたNitto独自のマーケティング原理であり、成功を導いてきた方程式だ。

この三新の考え方は、絶縁テープから始まったNittoを、世界で30,000人の従業員と、成長を続け、相互に影響し合う洗練された事業ポートフォリオを有する、ニッチ業界におけるグローバル・リーダーとしての地位へと押し上げることになった。

髙﨑氏は言う。「三新活動は、業界をリードするお客様との関係構築に役立っている。そのようなお客様は開拓精神にあふれており、やり取りを通してお互いに学び合っている」

2023年とその先へ

Nittoの最新の中期経営計画「Nitto Beyond 2023」の中核を成しているのは、限界への挑戦だ。「次世代モビリティ」「情報インターフェイス」「ヒューマンライフ」の3つを重点分野に、自らの限界を超えて、事業を成長させていくことに取り組む。

これらの3つの分野でNittoは、すでに強固な技術、製造システム、取引先との関係性を有している。これらを、部門内・部門間で活用していくことで、新たな長期的価値を創造し、グローバルニッチトップ戦略のさらなる成功を目指す。

例えば「次世代モビリティ」では、軽量化や省エネルギーを実現する既存の自動車関連製品に加えて、モーターやセンサーの絶縁素材といった重要な製品を提供し、自動車の電動化の急速な進展に貢献している。

「情報インターフェイス」では、ディスプレイ関連技術の豊富な実績に加え、データセンター用HDDの大容量プリント回路、プラスチック光ファイバーケーブルなど、スマート社会に必要な社会インフラを支える技術を提供している。

また、「ヒューマンライフ分野」では、病気の原因となる遺伝子を特定して治療法を開発するためのオリゴヌクレオチド製造技術のライセンス供与、新型コロナ感染症の拡散を抑制するための医療用マスクや空気清浄機のフィルターなどの生産を行っている。

髙﨑氏は「Nittoでは、あらゆることに挑戦する人、つまり新しい道を切り開く人を評価する」と語る。「これが、技術を素早く再活用してさらに進歩させ、お客様とともに進化し、当社が複数のニッチ分野でリーダー的地位を築く原動力になっている」

持続可能なイノベーション」が「ニューノーマル」に

コロナ禍以降の「ニューノーマル」とは何か?世界中がその定義に悩む中、Nittoは「持続可能性(サステナビリティ)」を前面に押し出した未来を描いている。2030年に向けたNittoのあるべき姿を「技術で未来を創造し、驚きと感動を与え続け、高機能材料メーカーとして持続可能な環境・社会を実現する」と定義し、真に持続可能な環境と社会を実現するために、さまざまな技術を活用して未来を形作る、高機能材料のイノベーターとなることを目指す。

Nittoは、多様な分野における革新的な製品やプロセスにより、バリューチェーンのあらゆる段階で経済価値の創出と社会的課題の解決を図り、企業価値を高めるためのESG経営を推進している。その一例が、浄水と有機溶剤のリサイクルだ。Nittoのメンブレン製品は、二酸化炭素やその他のガスを分離する可能性もある技術を用いて、産業廃棄物ゼロへの取り組みを加速させている。

髙﨑氏は、「便利であることや、洗練されているだけでは、もはや十分ではない」と言う。「Nittoが行うこと、販売するものの全てに、真のサステナビリティを組み込む必要がある。当社とっても世界にとっても、サステナビリティがニューノーマルな考え方になるべきだ」