Nittoグループレポート2016
33/44

32Nitto Group Report 2016環境保全の取り組みNittoグループは、重要課題として「気候変動、資源枯渇、水危機、生物多様性の減少への対応」を掲げ、中期計画としてCO2およびトルエン大気排出量の目標値を設定しました。併せて、従来から取り組んできた廃棄物の適正管理とPRTR※1対象物質の大気排出量の削減についても、継続して取り組んでいます。エネルギー見える化システムの導入エネルギーを多く使用する工程・装置の省エネ活動を推進しています。2012年度より、拠点における「設備ごとのエネルギー使用量の把握」(省エネ診断)を開始し、2013年度には省エネ診断基準を策定しました。これまで、一部海外グループ会社を含むエネルギー消費量が多い主要拠点で省エネ診断を実施しています。2015年度からは、省エネ診断の効率化を図るために、省エネ診断を実施した日本国内拠点を中心に「エネルギー見える化システム」を導入しました。これにより、常にエネルギー使用量のモニタリングが可能となり、エネルギーの削減に取り組む必要のある装置の把握や、取組みによる効果の確認が容易になります。また、適正なデータ管理や分析も可能となり、国内2拠点においてはそれに基づく省エネルギー対策を行いました。これらの取組みについては、毎年「省エネ研修交流会」で情報を共有するとともに、人財育成によるさらなる活動の推進を図っています。溶剤回収設備の導入これまで有機溶剤ガスの処理には燃焼による無害化を主流としてきましたが、化石資源有効利用および気候変動への対応の観点から、2015年12月、関東事業所へ溶剤回収設備を導入しました。これは、活性炭を用いて排気ガスに含まれる有機溶剤を吸着・回収するシステムで、製造工程で排出される有機溶剤の多くが再利用可能となりました。これらの省エネ活動は、資源枯渇を防ぐ取組みとしても有効であると考えています。MFCAの活用製造に関わるあらゆるロスを削減するために、マテリアルフローコスト会計(MFCA※2)手法の活用を推進しています。MFCAは原材料やエネルギーのロスを見える化し、ムダな資源の削減を図る環境管理会計として知られていますが、Nittoグループでは、これを「まてふろ」と呼び環境保護活動に取り入れています。2014年度、国内を中心とした「まてふろ専門委員会」を立ち上げ、さらなる推進体制の強化を図りました。これまで各事業部の主要製造拠点におけるロスを、「まてふろ」を使って分析し低減してきましたが、2015年度は、東アジアエリア(韓国、台湾)への活動強化を図りました。「まてふろ」をグループ全体の活動とすべく、国内のみならず海外を含め多数のメンバーが参加する「まてふろ(MFCA)交流会」を定期的に開催しています。関東事業所へ導入した溶剤回収設備2016年3月に開催された第3回「まてふろ(MFCA)交流会」の様子※1PRTR:Pollutant Release and Transfer Registerの略。化学物質排出移動量届出制度。※2MFCA:Material Flow Cost Accountingの略。環境会計手法の一つで、製品に関わる資源やエネルギーのロスに着目し、物的・金銭的両面からムダを可視化することができる。MFCAは、2011年にISO規格化(ISO14051)された。

元のページ 

page 33

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です