Nittoグループレポート2017
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トップメッセージ11Nitto Group Report 2017に抑えることを目標にしています。Nittoグループは、エネルギーの有効活用に適したネオジム磁石や、環境汚染対策にも応用可能なメンブレン製品など環境負荷を低減する製品を生み出してきました。また、お客様の製造工程を簡便にし、資源・エネルギーの無駄を省く製品・サービスも数多く提供しています。人類全体の脅威とも言われる環境問題の解決に向けた技術や製品・サービスの開発を加速させていきます。生産活動に伴う環境負荷については、新しく策定した環境中長期計画に沿って、CO2排出量およびトルエン大気排出量と廃棄物排出量の削減を中心に取り組みます。情報化・テクノロジーの進歩を支える液晶ディスプレイには光学フィルムをはじめ、さまざまなNittoグループの部材が使われており、ディスプレイの薄型化や大型化、画質向上に貢献し情報社会を支えてきました。なかでも偏光板はトップシェアを誇り、独自に開発した超薄型偏光板は、ウェアラブル端末など、よりフレキシブルなディスプレイを実現させます。また、透明導電性フィルム「エレクリスタ™」などタッチパネル用部材はスマートフォンやタブレット端末の普及と機能性の向上に一役買っています。今後、テレビやスマートフォンの画面は液晶から有機ELへシフトしていくことも予想されますが、変化を先取りし、次世代ディスプレイに対応した高機能を有する部材の開発に取り組んでいます。テクノロジーは日進月歩、秒進分歩とも言われます。今、IoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)の導入が加速していますが、Nittoグループは多彩な技術を活用し、進化を支える価値の創造に励みます。生活の質の向上に寄与先進国の人口高齢化や新興国の人口激増により、世界的に医師や看護師など医療従事者の絶対数が確保できず、深刻な問題になっています。Nittoグループは独自の技術を応用した新しい投薬方法の開発などライフサイエンス分野においてもさまざまな提案をしてきました。1970年代後半から、世界に先駆けて経皮吸収型テープ製剤の開発に取り組み、コントロールドリリースに最適な粘着剤合成をはじめ、安全性・安定性に優れた製剤設計技術を確立しました。最近ではテープ製剤と、皮膚表面に微細な孔を開ける技術を組み合わせた「Nitto PassPort® System」などの開発も進めています。これらが実用化されれば、注射や点滴といった医療従事者にしか許されなかった薬剤投与が簡便になり、患者様のみならず医師・看護師の負担を軽減することができます。これまで治療が困難とされていた難病などの治療薬となり得る核酸医薬の分野にもNittoグループの技術が活かされています。なかでも核酸医薬を用いた肝硬変治療薬は、昨年の米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社との提携により、開発が加速していくでしょう。一方、新興国や途上国の生活水準が向上し、快適性や衛生への関心が高まっています。NittoグループはHygiene事業として、折り畳みテープ「ニトフォールド™」などの紙おむつ関連材料も提供しています。また、「コロコロ®シリーズ」など掃除を手助けするツールも取り揃え、衛生環境の改善や快適な暮らしに寄与しています。安心・安全な社会のためにグローバル化によって人々が世界中を行き交うようになり、交通機関の発達と迅速な輸送が求められるなか、一方で過密かつ複雑な移動手段には輸送の安全性が問われます。Nittoグループは、安全かつ快適な移動と環境保全を視野に、自動車関連の部材を提供してきました。例えば、「ニトハード®」は軽量化が進む車体の強度を保つため幅広い需要があります。航空機用防錆テープ「AEROSEAL®」は、結露によって床下に発生する錆を防ぐとともにメンテナンスしやすい特長も兼ね備えており、航空機の安全に寄与しています。こうした部材はほかの輸送機器へも応用できるため、用途の拡大が期待できます。また、事故発生時に乗員を保護するカーテンエアバッグ向けの機能性フィルム事業にも着手しました。新しいニーズも掘り起し、より快適で安全な輸送を支えていきます。Nittoグループは事業活動においても「安全を全てに優先」し、従業員の安全と健康を守る活動を行っています。製造現場での事故・災害をなくすだけでなく、健康を保ち、常に安全な行動を実践するよう意識改革に努めます。

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