Nittoグループレポート2017
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22Nitto Group Report 2017皮膚に小さな孔を開け、薬を含むパッチを貼付します。点線部分に優肌パーミロール®Liteが貼付されています。核酸医薬受託製造の拡充Nitto PassPort® SystemNASHおよび肝硬変の治療薬の開発ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と提携優肌パーミロール®Lite経皮吸収型テープ製剤Nittoグループは、ガンなどの治療困難な病気に効果があると期待される核酸医薬の受託製造サービスで業界トップシェアを誇ります。2016年10月、日東電工アビシアを通して米国のIrvine Pharmaceutical Services社およびArvio Biopharmaceuticals社の資産を買収し、日東アビシアファーマサービスを設立しました。医薬品の分析サービスが拡充されたほか、無菌充填サービスも可能になりました。患者様に一日も早く新薬をお届けできるよう、核酸医薬開発の加速を支援するサービスを提供していきます。「Nitto PassPort® System」は、痛みなく安全に皮膚表面に微細な孔を開ける技術と、粘着テープに薬を加えて皮膚に貼付する技術を組み合わせた新しい経皮投与技術です。そのままでは皮膚から吸収されないペプチドや核酸、タンパク質のような高分子のバイオ医薬品や親水性薬の投与が可能で、従来、注射や点滴に限定されていた薬の新たな投与方法を提案します。孔の数や大きさ、テープ製剤の組成をコントロールして薬を放出する時間や量を変えることもできます。現在、複数の製薬会社様と協同で検討を行っており、早期実用化を目指しています。Nittoは2008年から線維症治療薬の開発に取り組んでいます。進行性非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)およびC型肝炎に伴う肝線維症と肝硬変を対象とした、siRNA(核酸の一種)を用いた開発製剤は、米国食品医薬品局よりファストトラック指定(優先審査指定)を受けています。2016年11月、Nittoと米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、NASHと肝硬変を対象とした、上記製剤の開発、製造および販売に関して独占的ライセンス契約を締結しました。この提携により、開発が加速され、患者様に少しでも早く治療薬が届くことを期待しています。傷や肌を覆って雑菌や水の浸入を防ぐフィルム状のカバー「優肌パーミロール®」シリーズに、従来品と比べて薄さ約4分の1の「優肌パーミロール®Lite」が加わりました。よく伸びて屈曲部にもしなやかにフィットするので何もつけていないようなつけ心地です。また、独自の「優肌」ゲル粘着剤を使用しており、テープをはがす時に角質を傷つけず痛みもほとんどありません。経皮吸収型テープ製剤は、肌に貼って薬を投与する医薬品です。内服薬のように消化管や肝臓などに負担をかけず、注射のように針を刺したときの痛みもありません。また、薬の投与量をコントロールして急激な薬物吸収による副作用を軽減します。Nittoの技術が、虚血性心疾患治療用、喘息治療用、局所麻酔用や高血圧治療用など幅広いテープ製剤を世に送り出し、患者様の不安や負担を和らげる一助となっています。未来に提案!未来に提案!FineFineFineアプリケーターデバイスポレーターテープ製剤ポリマー選定共同研究吸収促進剤角質保護薬剤安定性放出コントロール吸収の促進刺激の低減ターゲット医薬品の選択

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