本文へリンク

粘着テープの総合情報サイト Tape Museum

シェアする

  • LinkedIn
  • mail
  • copy
    URLを
    コピーしました
  • LINE

シェアする

セロハンテープ(3)

テープの歴史館

セロハンテープ(3)家庭で一番身近な粘着テープ/日本でのあゆみ

ゼロ戦のマスキングにも使われた、日本のセロハンテープ


零式艦上戦闘機六二型(ゼロ戦)(大和ミュージアム所有)。
細かく数色に塗り分けられている。
日本では、セロハンテープに関する実用新案が1928年(昭和3年)に、また特許が1933年(昭和8年)に登録されていますが、実際の商品としてセロハンテープが日本で発売されたのは、1935年のことです。日進工業で製造されたものを<ギヤー・ハンマー印透明テープ>として、大阪の鈴鹿工務店が販売しています。

同じ頃、藤倉工業が海軍特注品としてセロハンテープを納入し、飛行機製造工程に使われました。さらに1942年には歌橋製薬所が海軍に納品しています。これは、軍用航空機(ゼロ戦)の塗装マスキング用に使われていました。しかし、戦争末期にはセロハン原料が入手困難になり、いずれも中断されています。

G.H.Q.の検閲によって発展した、日本のセロハンテープ技術

戦後、日本を占領したG.H.Q(連合軍総司令部)では、新聞や雑誌はもちろんのこと、手紙の検閲まで行っていました。開封して検閲した手紙を、また封印して届けるのですが、その封印のためにセロハンテープが必要でした。そこで、G.H.Q.は、その生産を日絆工業株式会社(元の歌橋製薬所、現在のニチバン株式会社)に求めました。1947年(昭和22年)12月のことです。

日絆工業では総力をあげて取り組み、翌年の1月には試作品をアメリカ軍に届けました。原材料も高品質のものが扱えず、今から見ればやっと実用に耐える程度のものでしたが、アメリカ将校たちは「短時間でここまで試作した日本の技術はまったく優秀である」と賞賛を惜しまなかったといいます。

余談ですが、昭和の後半まで、セロハンテープの幅は12mm、18mm、24mmが主流で、今も多く使われています。これは、アメリカ軍に納入した名残です。当時の担当者が、1/2インチを12mm、3/4インチを18mm、1インチを24mmと定めたからです。

ページトップへ戻る