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セロハンテープ(1)

テープの歴史館

セロハンテープ(1)家庭で一番身近な粘着テープ/誕生の背景

戦後日本の文具商品ベスト3の1つ

現在、一般家庭やオフィスで最もなじみ深い粘着テープといえば、セロハンテープでしょう。
 よく<セロテープ>と呼ばれていますが、<セロテープ>はニチバン株式会社の登録商標で、一般用語では「セロハンテープ」または「セロハン粘着テープ」と言います。
 透明ですから貼っても目立たず、手でも切りやすく、しっとりとした質感が手になじみやすいため、家庭や学校、オフィスで手軽に使われています。戦後日本の文具商品のベスト3の1つとも言われているくらいです(あとの2つは<マジックインキ>とボールペン)。

透明なセロハンフィルムには、透明な粘着テープを

セロハンは、再生繊維素とも言われるように、木材パルプを原料にしたフィルムです。1908年にスイスのブランデンベルガーが発明しました。このセロハンの誕生によって、人々は初めて透明フィルム状の材料を手に入れたことになります。1920年代には、ドーナツやハム、その他多くの商品がきれいなセロハンに包まれて市場をにぎわせていました。特にプレゼントの包み紙として大変喜ばれました。

しかし、この美しいセロハンで包んでも、それをとめる適切なものがありません。粘着テープにしても、当時は布や紙のものしかなく、これではせっかくのきれいな包装が台なしです。「透明なセロハンフィルムで包装するときは、同じ透明なセロハンで固定したい」というのが、人々の願いでした。

単純に考えれば、セロハンに粘着剤を塗って粘着テープをつくれば解決することです。しかし、それは無理だと考えられていました。セロハンには裏表がないからです。当時、「粘着テープにするには、裏面は糊がつきやすく、表面は糊がつきにくいようなセロハンをつくらなければ無理」というのが常識でした。「裏表のないセロハンの片面に粘着剤を塗ってテープ状に巻くと、粘着剤は下のセロハンに貼りついて、剥がしたときにセロハンだけになってしまうだろう」と、誰もが信じて疑いませんでした。

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