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セロハンテープ(4)

テープの歴史館

セロハンテープ(4)家庭で一番身近な粘着テープ/高度な切断技術

テープメーカーを悩ませた「ななめ切り」

日本では第二次世界大戦後、現在のニチバン株式会社でセロハンテープの生産が本格化し、その後、数社が生産に参入して品質も大きく向上しました。
昭和20~30年代に生まれた方々は、いわばセロハンテープの品質向上とともに育ってこられたわけで、「子供のころは、ななめに切れたり、夏に粘着剤がはみ出してベタベタしたりしたなあ」といった記憶をお持ちではないでしょうか。

各種粘着テープの中で、仕上げ切断技術が最も難しいのは、セロハンテープでした。
特に、ななめ切れのクレームは、テープメーカーの泣き所でした。セロハン紙の材質や塗工、巻き取りの技術にもよりますが、テープの切断技術がななめ切れの原因でした。

所定幅に切断するには、広幅の塗工品を切断してから芯に巻き取る方法と、ボール芯に一定の長さを巻き取ってから切断する方法とがあります。いずれも切断設備や刃物の材質、形状、そして研磨など苦心して各社独自の改良に努めました。

粘着テープを一般家庭にまで広めたセロハンテープ

誕生から80年がたったセロハンテープですが、その使いやすさと手ごろな価格では右に出るものがなく、現在も私たちの生活に欠かせない粘着テープの1つです。

粘着テープの系譜を生み出したのは、第3章でご紹介してきた絆創膏ブラックテープだと言われていますが、セロハンテープもそれに劣らない足跡を、粘着テープ史に残しています。とりわけ、粘着テープの存在と、それがどんなに便利であるかを一般家庭にまで浸透させた意義は大きいでしょう。

こうして芽生えた粘着テープの文化は、次にご紹介する「合成高分子との出会い」という転機を迎えて、さらに発展していきます。

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