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粘着テープの総合情報サイト Tape Museum

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第7章 私たちの文化・生活とともに 救急絆創膏

テープの歴史館

救急絆創膏生活必需品になった「絆創膏+ガーゼパット」

「妻の不器用さ」が生んだ<バンドエイド

絆創膏にガーゼパットがあらかじめついた救急絆創膏のことを、よく<バンドエイド>と呼んでいますが、<バンドエイド>はジョンソン・エンド・ジョンソンの商標で、一般名詞ではありません。

この製品は1920年、医療材料を製造していたアメリカのジョンソン・エンド・ジョンソンで、開発され、翌年発売されました。今では、この会社の最も有名な商品の一つとなっていますが、実は、誕生にはちょっとしたエピソードがありました。

当時、同社の紡績工場で働いていたディックソンは、新妻・ジョセフィーヌのことで悩んでいました。ジョセフィーヌが台所に立つたびに、けがをしていたからです。そのつど彼は、彼女の指に包帯を巻いてあげていました。が、いつまでたってもけがは減りません。そこで「彼女が一人でもけがの手当てができるように」と、サージカルテープを広げ、そこに小さなガーゼの切れ端を、一定の間隔を開けて置きました。これを見たジョセフィーヌは大喜びで、けがをするたびに、自分でこのテープを切って、自分の指に貼るようになりました。

ディックソンがこの発明を会社の上司に話したところ、上司はさらに幹部に報告するように勧めました。こうして初の救急絆創膏が<バンドエイド>という商品名で発売され、世界に広まったのです。
妻の台所での不器用さが、一大発明を生んだわけです。

今でも発展し続ける救急絆創膏


ちょっとした傷の手当てに便利な救急絆創膏
救急絆創膏は、今では多くの会社が製造・販売しており、さまざまな種類が出ています。

粘着テープ部分の支持体は、現在では軟質ポリ塩化ビニルフィルムが一般的です。これは、柔軟で肌へのフィット感が良いことと、経済的なためです。さらに、水仕事をしても傷口が濡れない防水タイプや、汗でむれることの少ない高通気性タイプなどの品ぞろえが進み、ポリオレフィンフィルム品、ポリウレタンフィルム品、ウレタン不織布品、発泡体品など、いろいろなタイプが競合中です。最近では環境への配慮から、特にポリオレフィンフィルム品が世界的に増えています。

また、高機能品として、粘着剤自身が血や膿を吸収し、傷治療能力を持ったハイドロコロイドゲルから成るガーゼなし救急絆創膏も製造・販売されています。ハイドロコロイドゲルはポリマーの中に吸水材料を含んだもので、医者が使う創傷被覆材としても使用されています。

今後、装着感をまったく感じさせないものも出てくるでしょう。

救急絆創膏は、さらに発展を続けています。

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