液晶ディスプレイは、基本的に、液晶パネルとその両側に貼付された2枚の偏光フィルムから構成されます。従来当社では、長尺の偏光フィルム(マザーロール)を所定のサイズに切断加工し、目視による検査工程を経て梱包した上で、液晶パネルメーカーに供給していました。一方、液晶パネルメーカーでは、供給された偏光フィルムをカセットに装着し1枚ずつ液晶パネルに貼り付ける製造方法を採用していました。ところが、液晶ディスプレイの大型化や需要の増加に伴い、検査工数、包装、保管などの負荷が拡大し、製造及び輸送コストは年々膨らむ傾向にありました。
このような状況の下、当社では偏光フィルムをロール状で供給し、そのまま検査工程を経て切断加工した偏光フィルムを連続で液晶パネルに貼り付ける装置を導入し、その工程を一貫して管理するという革新的な製造方法を提案しました。その結果、液晶ディスプレイの製造コストと輸送コストおよび梱包資材を大幅に低減させるとともに、製造効率を飛躍的に向上させる自動化ラインを構築することができました。この方法により、お客様とのWin-Winの関係を構築しながら新しいビジネスモデルへの進化が実現しました。当社が発明したこの方法は、現在日本、韓国、台湾の液晶ディスプレイメーカーで採用され、今後液晶ディスプレイの製造プロセスにおいて、次世代の標準的な製法になると思われます。
詳細情報は公益社団法人発明協会のホームページをご覧ください。
http://koueki.jiii.or.jp/index.html
なお、当社は平成17年度全国発明表彰において「内閣総理大臣賞」を受賞しており、今回2度目の受賞となりました。