日東電工株式会社(本社:大阪市、社長:髙﨑秀雄、以下 Nitto)は、膜ベースの CO2分離技術における先駆者である Aqualung Carbon Capture(本社:ノルウェー、CEO:Andrew Robbins、以下 Aqualung 社)と、共同開発契約(JDA)を締結し、Aqualung 社への戦略的投資を実行したことをお知らせいたします。
本提携は、Nitto の先進的な研究開発力、生産インフラ、膜・薄膜コーティングにおける豊富な経験と、Aqualung 社の革新的な促進輸送膜技術※1を融合させることで、CO2回収分野において、コスト効率と性能の両面で業界をリードするソリューションの実現を目指すものです。共同開発を加速し、2026年度中の顧客環境での実証試験の実施を目指すとともに、その後の大規模なスケールアップも計画しています。
この合意により、NittoはAqualung 社の主要株主となり、分離膜の供給パートナーの役割を担います。Aqualung 社は、薄膜コーティングに関するコア知的財産に注力し、事業化パイプラインの拡大を加速させる一方、Nittoは製造およびスケールアップに関する専門知識を提供します。
さらに、本プロジェクトは、CCS(Carbon Capture and Storage)技術の実装を推進するグローバルエネルギー企業との協業も視野に入れており、実証から商業化に向けた取り組みを加速させる体制が整いつつあります。これにより、膜技術を核としたCO2回収の実用化が、より現実的なものとなります。
Nitto CTO 三木陽介: 「Aqualung 社との協業は、Nittoが長年培ってきた膜・薄膜コーティング技術および製造ケイパビリティを活かし、CO2回収技術の社会実装を加速させる重要なステップです。両社の強みを融合することで、持続可能な未来の実現に向けた高性能かつコスト効率に優れたソリューションの提供が期待されます。今後も、革新的イノベーションを通じて環境課題の解決に貢献してまいります。」
Aqualung CEO Andrew Robbins 氏: 「グローバルリーダーであるNittoとのパートナーシップを非常に嬉しく思います。彼らの技術力は当社のビジョンと完全に一致しています。この協業は、業界で最もコスト効果に優れたCO2回収ソリューションの提供という当社のミッションを実現する上で重要な一歩となります。Nittoの支援により、開発を加速し、持続可能な技術への高まる需要に対応する準備が整いました。」
Nittoは、Aqualung 社との協業を通じて、グローバルなCO2回収市場における革新を牽引する立場をさらに強化してまいります。今後も、持続可能な社会の実現に向けて、先進材料技術を活用したソリューションの提供を推進してまいります。
※1 特定の分子を選択的かつ効率的に透過させるために設計された膜
Nittoは1918年の創立以来培ってきた8つの基幹技術をベースに、表示デバイスに使用される偏光板などの光学材料、回路基板、工業用テープ、医療用関連製品など様々な製品・サービスをグローバルに提供している高機能材料メーカーです。ブランドスローガン「Innovation for Customers」のもと、世の中に「なくてはならない」価値を創出し、持続可能な地球環境、豊かなと人類社会の実現に貢献することを目指します。
Aqualungは、膜ベースのCO2分離技術におけるリーダー企業であり、コスト効率に優れ、スケーラブルなCO2回収およびシーケストレーションソリューションの提供に取り組んでいます。イノベーションと戦略的パートナーシップに注力し、低炭素社会の実現を推進しています。
日東電工株式会社 ブランドコミュニケーション部 広報グループ