Nittoグループは、「生物多様性の保全」をサステナビリティの重要課題と位置づけています。自然への依存や影響の程度にかかわらず、企業活動による負の影響を抑え、自然の回復と再生を目指す「ネイチャーポジティブ」の実現を企業の責務と捉えています。この考えのもと、バリューチェーン全体にわたるすべてのステークホルダーと協働し、持続可能な社会の実現に向けて取り組みます。
この方針の基づき、原材料の調達から製品の使用・廃棄に至るまで、生物多様性にとって重要な地域、特に法的に保護された地域での活動を回避し、絶滅危惧種や保護対象への悪影響を防ぐよう努めています。また国際的に認められた「緩和階層(ミティゲーション・ヒエラルキー)※1」に則り、環境への影響を抑えるための段階的な取り組みを推進します。
「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が掲げる「自然と共生する世界」というビジョンや、「経団連生物多様性宣言・行動指針」に賛同し、大気汚染の防止、廃棄物の削減、水資源の保全を重点課題と捉え、優先地域を含む製造拠点を対象に具体的な活動目標を設定し、取り組みを進めています。
※1 緩和階層(ミティゲーション・ヒエラルキー)・・・開発や事業活動による自然環境への影響を最小限に抑えるための国際的な原則
製造プロセスにおいて使用される水は、地域の水源に影響を及ぼす可能性があります。過度な取水や水質の汚染は、生態系や地域社会に対してネガティブな影響をもたらすリスクがあります。
Nittoグループは、こうした水リスクの重要性を認識し、製造拠点における水資源の管理とモニタリングを重視しています。
具体的には、洪水・渇水・水資源の状況を評価する「Aqueduct」などの外部ツールや、取水量・排水量・COD(化学的酸素要求量)などの社内環境パフォーマンスデータを活用し、取水量(水の使用量)と水質の両面を継続的に把握・評価しています。
*詳細はサステナビリティデータブックをご参照ください。
水資源の効率的利用と、異常気象などによる給水制限に対する事業活動への影響を最小化するため、取水量(水使用量)の評価に加えて水の再利用・無排水化(ZLD:Zero Liquid Discharge)に力を入れています。滋賀事業所では、水以外の不純物を透過しないNittoグループの逆浸透(RO)膜を活用した水処理技術によって、事業所から生じる排水・廃液を再利用しています。排水利用率は2022年以降、90%を達成しています。
今後は自社で確立・検証した水処理技術とその運用スキームを含む製品を、特に水リスクの高い振興国や地域へ展開していく計画です。これらの水処理技術と他の環境技術とを組み合わせることで、安心・安全な水の確保や水資源の保全といった社会課題の解決に、事業を通じて貢献していきます。
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環境の取り組みを推進するためには、経営層を含む従業員一人ひとりの理解と協力が不可欠です。そのため、事業活動における大気汚染の防止、廃棄物の削減、水資源の効率的な使用に関する教育プログラムを通じて、継続的に環境意識を高めることを目指しています。
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